バイアステープ攻略‖裏バイアス始末(フラットテープ)外カーブ

裏バイアス始末(フラットテープ)外カーブバイアステープのコツ
裏バイアス始末(フラットテープ)外カーブ

外側にカーブした裏バイアス(裏バインダー)始末をする時、裏面のテープ幅が安定せずに縫いにくいと感じることはありませんか?
それはテープを縫い合わせる時に、バイアステープの伸ばし加減が適正でないことが主な原因です。加減を掴んでしまえば裏バイアス始末の外カーブは驚くほど安定して縫う事が出来ます。
その加減とはいったいどのくらいなのか。適正値を体感しながら縫う方法を写真と動画で解説しました。
簡単ソーイングから一歩先へ進みたい方の参考になれば幸いです。

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1.まずはバイアステープを据えて加減を掴む

まずは試しにテープを据えてみます。
テープの一端を1/3ほど軽く折り、折られていない側の端を身頃生地の裁ち端に沿わせてマチ針を打ちます。この時、軽く折ってあるバイアステープの折山の位置がだいたい2本目のミシンの位置になります(下図イラスト中のA位置)。

裏バイアス始末外カーブ:テープの据え方
裏バイアス始末外カーブ出来上がり図
裏バイアス始末外カーブ出来上がり図

Aの位置でバイアステープの長さが不足しないように慎重に据えると、テープの裁ち端で生地がつって立ち上がってきます。このつっている分だけ伸ばしながら縫い合わせることになります。上の画像( 裏バイアス始末外カーブ:テープの据え方 )をみると、カーブの起点から頂点に向かって徐々に立ち上がりが強くなっているのが見て取れますので、カーブ頂点付近で伸ばし分量が最も多くなるという事です。

だいたいの伸ばし分量が把握出来たら、ついでなので所々に合印を入れておきましょう。


裏バイアス始末外カーブ:合印をつける

2.バイアステープと身頃を縫い合わせる

合印をつけたらマチ針を外し、身頃生地とバイアステープを中表に合わせてテープを伸ばしながら地縫いミシンをかけます。縫い代幅=バイアスの仕上がり幅になるので均一に縫い合わせてください。


裏バイアス始末外カーブ:身頃とテープを縫い合わせる

テープを伸ばす時は、縫い代として中に縫いこまれる方(上図ではテープの右端)だけ伸ばします。左端まで全体に伸ばしてしまうと裏面側に折り込んだ際に浮き分が出ておさまりが悪くなってしまいます。工程3・4でバイアス布に浮き分を出さないようにするために工程1で伸ばし分量を確認しているのですから、効果を失わないように慎重に縫い合わせましょう。

3.裏バイアス幅を整える

地縫いミシンのキワに軽くアイロンをかけ、裏面側に返します。


裏バイアス始末外カーブ:ミシンのキワに軽くアイロンをかける

そのまま縫い代をくるみ込みながらアイロンはかけずにバイアス幅を整え、マチ針を打ちます。マチ針を打つ場合は下図のようにカーブの頂点に向かって順番に打つようにすると、テープがよじれずにおさまりが良くなります。


裏バイアス始末外カーブ:裏バイアス幅を整える

しつけをかける場合はここでしつけをかけましょう。しつけもピンうちも必要ない場合は、マチ針を打たずに次の工程に進みます。

4.テープのキワにコバステッチをかける

テープのキワにコバステッチをかけていきます。慣れてきた方は、工程3でのピン打ちとしつけを省いてバイアス幅を均一に整えながらコバステッチをかけていきます。


裏バイアス始末外カーブ:裏バイアスのキワにコバステッチ

地縫いミシンで既にテープを引きながら縫っているので、ここでの浮き分はほとんど出ません。
テープの伸ばし分量が適正であれば、くるんと縫い代をくるみ込んで正しい位置におさまろうとします。(←ここ重要!
あとはステッチをかける時に幅が均一になるように整えてやります。
アイロンでバイアス幅をきっちり折り込んでも良いのですが、アイロンをかけた時に幅が一定になっていないとここのステッチでのバイアス幅の修正は難しくなります。
慣れは必要ですが、ステッチ定規と段付き押さえを使って幅を整えながら縫う方が、ステッチ幅とバイアス幅の両方を均一に整えやすいのではないでしょうか。

5.出来上がりはこのように

縫い上がったものを裏面から見た状態です。バイアス幅・ステッチ幅共に均一に仕上げる為には、まずは伸ばし分量がどれくらいになるのかをよく見極めましょう。外カーブの場合は伸ばし分量が足りないと、2本目のステッチの際にバイアス幅を整える+浮き分をイセ込みながら縫わなくてはならず、それだけで難易度が上がります。工程4で浮き分が出て縫いにくいと感じる場合は伸ばし分量が不足しています。



裏バイアス始末外カーブ完成

6.裏バイアス始末外カーブ動画はこちらから

裏バイアス始末(フラットテープ使用)外カーブ
裏バイアス始末(フラットテープ使用)外カーブ

7.両折れタイプのバイアステープを使用する場合

市販の両折れタイプのバイアステープは下図のように縫い代幅が狭いものが一般的です。ここで解説した縫い方でテープを据えると下図のようになります。


裏バイアス始末外カーブ:両折れタイプの場合
裏バイアス始末外カーブ:両折れタイプの場合
裏バイアス始末外カーブ:両折れタイプの場合

一方、据え方を少しずらすと下図のようになります。


裏バイアス始末外カーブ:両折れタイプの場合

裏バイアス始末外カーブ:両折れタイプの場合

どちらかが正解というものではありません。裁ち端を揃えて合わせれば縫いやすいのですが、縫い代に段差が出来ます。この段差は表側からアイロンをかけた時にアタリが出やすくなります。裁ち端をずらして合わせれば縫い代の段差は解消されますが、バイアステープを据える目安が取りにくく、均等幅で縫い合わせるのが難しくなります。生地の厚みやアタリの出やすさ等で判断してください。

8.バイアス幅について

裏バイアス始末は玉縁始末と違い、身頃生地の縫い代分が内側に折り返されます。そうすると外カーブの場合は下図イラストのように生地が余って溜まりになります。これはバイアステープの中に隠れる部分ですが、この溜まりが多くなると表側に響いてアタリになるのは想像に難くないと思います。この余り分は、カーブがきつくなるほど+バイアス幅が広くなるほど多くなります。そのため、裏バイアス始末をすっきりと仕上げる為にはあまりバイアス幅を広くしない方が良いでしょう。幅を広くしたいのであれば通常の見返し始末に切り替えた方が綺麗に仕上がります。


裏バイアス始末外カーブ:両折れタイプの場合

9.さいごに

工程4のミシンの際に、「バイアステープが勝手にくるんと丸まってあるべきところにおさまろうとする」のが最も重要なポイントです。動画では工程4の際にアイロンもしつけもかけずにコバステッチをかけていますが、軽くテープを折り込むだけでテープ幅が安定しています。このように縫うためには工程1で伸ばし加減をしっかりと見極めることが必須条件です。
何度か繰り返し、感覚さえつかんでしまったら工程1は不要ですので出来る限り省略しましょう。

最初からあれもこれも一気にやろうとしても中々うまくいきませんので、ひとつひとつクリアするのがコツです。裏バイアス始末の外カーブは、内カーブと比べると比較的縫いやすいと思いますので是非トライしてみて下さい。

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