針板一体型バインダーvs上乗せ式バインダー使い方比較

四つ折りバインダーには大きく分けて、バインダー本体が針板と一体型になっているタイプ(いわゆるカノコラッパと呼ばれるもの)と、針板には干渉せずネジで固定して使用するタイプ(上乗せ式)の二種類に分かれます。
どちらも四つ折りバインダーですので仕上がりは同じなのですが、使用感が若干異なります。
価格もだいぶ異なりますので、購入を迷っている方の参考になればと思いまとめてみました。
また、買ってはみたものの上手く使えないという方もご覧になってみて下さい。

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1.外カーブの縫い方

外カーブに関してはどちらのバインダーもそれほど使用感に違いはありませんし、仕上がりはどちらも同じです。ですが外カーブの場合は内カーブよりも縫い外れやすいので、生地の送り方に慣れが必要です。

下図の矢印の方向を良く確認してください。左手と右手の矢印は力を加える方向を表します。Aの矢印はミシンの進行方向です。
外カーブの場合、左手はカーブの曲線通りに反時計回りに生地を送り込みます。カーブが緩やかであればこれだけで綺麗に縫う事が出来ますが、カーブが急になってくると左手の送りだけでは追い付かなくなり、身頃生地がテープ供給口(B)から離れてしまいます。ここが離れないように、右手前方向に生地が向くように右手で補助を入れます。

注意点は右手に力をかけすぎると身頃生地が伸びて仕上がるので、左手と右手の力加減をバランスよく保つ事です。
身頃生地がよじれそうになった場合は目打ちやピンセットを使って生地の送りを補助すると縫いやすいかと思います。

カーブが急になればなるほど難しくなりますので、まずは緩やかな形状のものから練習すると感覚を掴みやすいでしょう。

考え方としては、Aのミシンの軌道は常に直進であるのに対して、カーブしている身頃生地を針落ち付近でいかにまっすぐ送り込めるかという事なので、方法はこの限りではありません。ミシンの軌道と身頃生地の形状を頭に入れて、より縫いやすい方法を探ってみて下さい。

加えて注意点をもう一つ。いったん縫い始めたら途中で押え金は上げずに最後まで縫い切ります。カーブの頂点付近では生地がよじれやすいのでどうしても押え金を上げて軌道を修正したくなりますが、この時よじれているのはバイアステープも同じです。例え針を下げた状態であっても、押え金を上げた時点でバイアステープのよじれが戻ろうとして若干動きます。そうするとそこから続けて縫った場合にミシンの軌道がずれたようになります。

カノコラッパ/生地の送り方(外カーブ)
カノコラッパ/生地の送り方(外カーブ)
上乗せ式バインダー/生地の送り方(外カーブ)
上乗せ式バインダー/生地の送り方(外カーブ)

内カーブの縫い方

下記画像の1枚目が上乗せ式バインダー、2枚目が針板一体型バインダーで内カーブを縫っている所です。

比べてみると一目瞭然ですが、上乗せ式バインダーの方はバインダー本体に身頃生地が当たって生地がめくれあがっています。画像のものは緩やかな内カーブですが、それでもミシンの軌道にまっすぐ生地を送ろうとすると押さえの左側に生地の溜まりが出来ます。このような状態にすれば上乗せ式バインダーでも内カーブを縫う事が出来るのですが、この縫い方だと下図の失敗例のように玉縁の仕上がりが起き上がって来てしまいます。

一方で針板交換式のバインダーは作業領域が広く確保出来るので内カーブにも制限がありません。かなり深いカーブにも対応できます。

上乗せ式バインダー/生地の送り方(内カーブ)
上乗せ式バインダー/生地の送り方(内カーブ)
カノコラッパ/生地の送り方(内カーブ)
カノコラッパ/生地の送り方(内カーブ)
玉縁始末/失敗例
玉縁始末/失敗例

3.バインダー2種縫い方比較動画

針板一体型vs上乗せ式バインダー縫い方比較
針板一体型vs上乗せ式バインダー縫い方比較動画

4.さいごに

バインダーはどちらも一長一短というところでしょうか。どちらが良い、というような比較の出来ないものですので、ご自身の環境と使用目的に応じて選択すると良いでしょう。今後、量産や販売することを視野に入れている方でしたら針板交換をするタイプのカノコラッパをおすすめします。
カノコラッパはアタッチメント交換に手間がかかりますので、1着縫うだけだったら使わないケースの方が多いのではないでしょうか。そう考えると「バインダーが無くてはならない状況」というのはそうそうありません。
上乗せ式のタイプは価格も手ごろでアタッチメント交換も容易ですので、直線と外カーブ専用として購入するのにはおすすめです。

いずれにせよ、手付けで玉縁始末をするのと同じように、バインダーの練習も必須です。道具は使いこなしてこその道具です。

また、ここでご紹介したバインダーはいずれも量産を目的としたものですので家庭用ミシンには取り付けることが出来ません。家庭用ミシンには簡易的な四つ折りバインダーのアクセサリーが用意されている場合もありますので、各メーカーにお問い合わせください。

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