バイアステープの縫製トラブル6選/事例1~3

バイアステープの縫製トラブル6選‖事例1~3バイアステープのコツ
バイアステープの縫製トラブル6選‖事例1~3

袖ぐりや衿ぐりを玉縁始末したらふよふよと波打ってしまった。袖ぐりや衿ぐりを裏バイアス始末したら表布が余るようにつってしまった。ベビースタイやおくるみを玉縁始末したらテープがつって起き上がってきてしまったetc…
良くある失敗例ですが、失敗には必ず原因があります。失敗してしまったその時に、ちょっとだけ立ち止まって考えてみて下さい。原因は何なのか。それらを探るヒントとして、以下のような事例をまとめてみました。
バイアステープの始末の仕方には様々な技法があり、それぞれの具体的な始末の方法は別途、動画と併せて解説をしますが、ここでは特に良く見受けられる縫製トラブル6つに特化してご紹介します。

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事例1 玉縁始末で裏面のステッチが落ちてしまう

バイアステープ縫製トラブル事例1
バイアステープ縫製トラブル事例1

まずは最もポピュラーな失敗例をあげてみました。玉縁の表側からステッチをかけたら、裏側のステッチが外れてしまった例です。
このように裏面のステッチが外れるケースの原因は単純です。裏側で折り込まれるテープの幅が狭いとこのようになります。特に、四つ折りタイプのバイアステープを直接挟み込んでミシンステッチをかけた時によく起こります。
四つ折りタイプのテープを作成する時には、下図画像のようにわずかに段差を作ることを忘れずに。テープ作成時にしっかりとアイロンをかけて癖付けしておかないと、ミシンをかけているうちに崩れてしまって綺麗に縫えないという事もあります。

バイアステープの縫製トラブル事例1
バイアステープの縫製トラブル事例1

それ以外にも見落としがちなのが、くるみこむ身頃生地の厚み分です。上の画像のような四つ折りタイプのテープでは生地の厚み分量が考慮されていません。例えば厚物コートの袖ぐりであるとか厚手の接着芯を入れた雑貨類などは、極端な例だと厚み分だけで1㎝近くとられる場合があります。こうなってくると、四つ折りタイプを挟み込んで縫うよりも一旦中縫いをしてからくるみこんだ方が無難ですね。1㎝というのは極端な例ですが、多くの場合は複数の生地が重なっている状態で玉縁始末をします。その厚みは場所によって様々です。厚みが増すごとにバイアステープの幅を1㎜2㎜と増減させて調整して下さい。

事例2 玉縁始末の内カーブでテープ幅が不足する

バイアステープの縫製トラブル事例2成功例
バイアステープの縫製トラブル事例2失敗例
バイアステープの縫製トラブル事例2成功例
バイアステープの縫製トラブル事例2成功例

このケースは内カーブを玉縁始末する時によく起こります。原因は直線をくるむ時と同じ見積もりでテープ幅を計算してしまっているという事です。直線の場合はテープを伸ばしたりいせたりせずに素直に縫い合わせますが画像のような内カーブの場合はバイアステープのだぶつきを防ぐためにカーブの部分のみテープを引きながら縫い合わせます。そのため、引っ張った分だけテープ幅は狭くなりくるみこむ分量が不足します。どれくらい寸法が変わるか、下図画像をご覧ください。

バイアステープの縫製トラブル事例2失敗例
バイアステープの縫製トラブル事例2失敗例:表側
バイアステープの縫製トラブル事例2失敗例
バイアステープの縫製トラブル事例2失敗例:裏側

試しに三つ折りの状態で落としじつけをかけて見ました。玉縁幅1㎝に対して4㎝幅のテープを使用しています。これは検証のためにギリギリのテープ幅で縫いましたが、カーブ付近が顕著に不足しているのが良くわかります。せめてあと5㎜は欲しい所でしょうか。カーブのきつい玉縁始末の場合は1㎝幅の仕上がりに対してテープ幅は4.5㎝以上必要という事になります。これはカーブが緩やかであればこれほど顕著ではありませんので寸法はあくまでもケースバイケースです。

事例3 玉縁始末をしたテープが波打ったような仕上がりになる

バイアステープの縫製トラブル事例3
バイアステープの縫製トラブル事例3

これは長い距離を玉縁始末した時や化繊・裏布を使用した時によく起こる例です。原因はいわゆる縫いずれです。縫いずれはミシンの宿命ですので、少しでもずれをなくすよう工夫して縫うしかないのですが、裏布や化繊を使用する場合はテープを縫い付ける前に出来る限り伸ばしておくようにすると幾分か抑えられます。失敗例、見本共に裏布を使用しています。見本のものもわずかにヨレがありますが、この程度でしたらアイロンで落ち着く範囲です。失敗例のように顕著に縫いずれが起きてしまうとアイロンではこなしきれません。縫いずれに関しての解説は別の機会に譲ります。

さいごに

長くなってしまいますので、ここでは3つの事例をご紹介しました。事例2の玉縁始末の内カーブでは、バイアステープの幅の不足に加えて他の失敗例も良く見受けられます。両方の要因が同時に絡んでいる場合もありますので、事例6まで読み進めてみて下さい。

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