こちらもオーダーいただいたものです。
きものコートをほどいてチュニックに仕立て直しました。
といっても、、、
きものコートにはきもの地は使われていませんでした(笑)
素材はチュールレースをベルベットで裏打ちしたものでした。
もちろん、安物ではありません。艶っつやの真っ黒なベルベット。
なんてこったい。。。(^-^;
着物地の方が遥かに扱いやすいです。
すっかり忘れてたけど、ベルベットクロスもピンボードももう持ってないよ~(汗
仕方がないので残布のハギレを重ねて慎重に慎重にアイロンで仕上げました。
この作品もボディと全くサイズが違うので全体の画像はありません。
脇縫い目の無いいわゆる3面体構成のチュニックです。
パネル切替にして、前パネルにスラッシュポケットをつけてあります。
前中心コンシールファスナーあき。
依頼内容では、黒の別布でレースを裏打ちしてベルベット部分のみに裏地を付けてほしいということでしたが、デザインとレースの透け感の兼ね合いで総裏仕様にしました。
ただ裏打ちしただけだと、裏の始末があまり美しくないし、だからといって無双仕立てにするにも縫い代がレースから透けてしまって美しくない。という理由。
おかげでレース部分がちょっと厚みのある仕上がりになってしまったけど、冬に着るにはちょうどいい感じになりました。
セーターの上に重ねてももたつきません。
これはメリットのひとつでもあるのですが、裏地をつける事によって体のラインをひろいにくくなります。
柔らかい生地やくったりした生地、薄手の生地等は特に体のラインを拾いやすいですから体型が気になる方は裏地をつけるといいかもしれませんよ♪(^_-)★
裏打ちというのは、簡単に言うと、薄手の生地の下に別生地を重ねて1枚の生地のように扱うことです。
裏打ちするときに気をつけなければいけないのが↓
上の画像は前身頃の裾なのですが、同じパターンを使用して同じサイズで裁断したのに揃っていませんね。
この場合はレース生地が伸びています。
異素材同士を裏打ちする場合は着用したときの落ち感や伸縮率の違いを頭に入れておきましょう。
生地を粗裁ちしたらボディに止め付けて一晩くらい放置しておけばいいと思います。
伸びるだけ伸ばしたら改めて裁断し直せば良いでしょう。
それにしても。
今回は少々緊張しながらの作業でした(汗
ベルベットは一度アイロンの後が付いたらもうやり直しはききません。
なのでほぼ全ての工程でアイロンは浮かせたまま大量のスチームのみあてて、蒸気でアイロンがけしました。
襟ぐりや袖ぐりもアイロンで潰せないので全て星留めで始末してあります。
複雑なシルエットじゃなくてよかった(笑)
果敢にもベルベットに挑戦しようという方はデザインを吟味しましょう。
絞り込んだウエストとか、衿付きとか、接着芯を貼るとかは無理ではないけれどもけっこう難しいです。
縫いやすくするためには縫い目はとにかく最小限に、カーブはとっても縫いにくいので出来るだけ直線に近いパターンを使うと比較的縫いやすいです。
こういう難しい素材はとても勉強にもなるし技術も上がるしいいことばっかり。でもね、神経は摩耗します(笑)
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