シャツテイルの三巻き縫い Ver2ヘラを使う

三巻縫い

三巻縫いのVer2です。今度はヘラ印を利用します。これは三巻縫いの処理としては比較的オーソドックスな方法じゃないかと思います。
アイロンで折れば良いじゃん?と思うよね。まぁどっちでも良いんだけどね。アイロンではこなしにくい理由が一応あるのでそこも解説します。
まずは動画からどうぞー。

三巻縫い(Ver2)シャツテイル

今回は縫い代6mmで完全三つ折りしているので、折り幅は3mmくらい。出来上がり線を裏面からヘラで強めになぞってヘラ印をつけておきます。そうすると何となく折り目が付くでしょ?これをガイドにして縫い代を三つ折りしながら縫い進める。これだけ。説明するのは簡単だ(笑)

縫い方だけならネットで探せばいくらでも出てくるので、もうちょい掘り下げましょ。ここでのキモはやっぱり凸カーブかなぁ。凸カーブがうまい事いかないと、その影響でカーブ出口付近にしわ寄せが来ます。まさに、シワが寄るので言い得て妙だと今気付いた(笑)

できるだけ凸カーブを綺麗にこなしたい。という前提でまずは下図をご覧あれ。


イラストは凸カーブにアイロンをかけるの図。凸カーブの縫い代を折り込むと、縫い代余るでしょ?これはどんな曲線でもどんな生地でも避けて通れない。曲線がなだらかであれば余り分は少なく、急であればいっぱい余る。この余り分をどうするのかってことです。

で、イラストでは出来上がり位置にアイロンをかけてる所なんだけど、これだとこのシワのとこにもアイロンかかっちゃうのですよ。三巻きみたいな縫い代が激細のところは特に。しわがシワのまま潰れちゃう。上手な人だったりカーブが緩やかだったりすると、アイロンとスチームでうまく余り分を消しながら折れるんだけど、シワがそのまま残ると厄介です。

この後三巻しながら縫い進める時に、この余り分をイセ込みながら縫わなくちゃいけないんだけど、アイロンによってシワが固定されちゃうともうイセ込みが出来なくなっちゃう。そのままシワが残ります。そういった理由でアイロンはあまりおすすめしない。このシワが出来ないように縫いたいのにわざわざアイロンでシワ作ってどうする(笑)
でね、なおさら厄介なのがアイロンで出来たこのシワは、やっぱりダメだーと思ってアイロンで再び平らな状態に戻そうと思っても完全には消えないのですよ。いったんこのような状態になってしまった生地は、お前は形状記憶合金か!?と思うほど何度縫いなおしても綺麗にシワが消えることはありません。特にパキっとアイロンがかかる生地。動画でもちらっとぼやいてるけど、目のぎゅーっと詰まったイセにくい生地だともはやお手上げな時もあります。

自分もそうだったからものすごい良くわかるんだけど、均一な幅に仕上げたいと思うと、どうしてもどうしてもきっちりアイロンかけたくなるよね。気持ちはすんごい良くわかる。だがしかし。そこをぐぐぐとこらえて、アイロンではなくヘラ印を利用するのです。最終的には印も何もなしで三巻き出来るようになるのが理想だけど、それはもうちょい後にまわしてね。だんだん出来るようになるから!

で、アイロンをかけたくなる理由のもうひとつが「イセながら縫う」のが苦手な人が圧倒的に多いという事。みんな苦手でしょ?(^^; 私も嫌い(笑)
だから三巻き云々の前にイセ込みの練習しようぜ!といいたい所ではある。けどそこまで修行みたいな事せんでも良いかなと。そういうのも大事だよっていうのを頭に入れておくだけでも、上達スピードは速くなるから。

正直に本音を言うと、「イセながら縫う」というものをまずはマスターすると、そのあとがグッと楽になるんだよなぁとは思います。
イセ込みっていうとセットインスリーブの袖とか、ジャケットやコート類の後ろ肩に多用するイメージでしょ?でも本当はカジュアルウエアの至る所で使うテクニックです。
今回の三巻の凸カーブもそうだし、バイアステープの凸カーブもそう。曲線部分ではイセや伸ばしを必ず使う。
でもやっぱりイセ込みと縫う作業の同時進行はちょっと難しいので、私は至る所でしつけをかけろとうるさく言ってます。しつけかけるとイセ分が自然と潰れてくれる場合も多いから楽なのよ。

そんでもって余計な一言を付け加えると、ソーイング本でこういうところを「イセながら縫う」と書いてある本はあまりない。これ書いちゃうと、イセってなんだよ?ってとこからになるからね(^^;

なんか脱線しちゃった。元に戻しますよ。
さてそこで、ヘラ印ですよ。ヘラを使うと余計なシワが付きません。後は三巻きをしながら縫い進めるんだけど、やっぱりちょっと難しいです。特にカーブね。なのでうまく出来ない人はカーブのとこだけでも良いからしつけをかけましょう。全部やると大変だから。これだけでもだいぶハードル下がるよね。縫い代細いから、しつけもちょっと大変ではあるんだけど。慣れてきたらピン打ちだけ、それもめんどくさくなってきたころには印付けすら必要なくなってます。

でもやっぱりなんかうまく出来ないなーという人は、5mm幅で三つ折りするとちょっと楽になります。そうすると凹カーブで縫い代つっちゃう事があるので、凹カーブにかけて自然に3mmくらいに細くしてくると落ち着き良いかな。ステッチ幅か変わるのを許容できる人だったらこれでOKだと思うよ。

しゃかりきに数だけこなす必要は無いと思う。ただ、考えることはやめちゃダメ。逆の言い方すると、何も考えずに数だけこなしてても遠回りするだけよ。
あ、あとね、頭でっかちに知識オバケみたいなのはもっとダメ。知識を入れたら実際にやってみよう。
修行みたいに練習練習!と根を詰める必要もない。その代わり、なぜ?どうしてうまくいかないの?と考えながら縫ってみて下さい。

最後にね、これだけ言わせて!!
パターン作る人!頼むからこういうとこ考慮して曲線引いてー( ;∀;)
たまーにあるのよ。Dカーブルーラーの曲線そのまま使いましたか?みたいなカーブのパターン。それがデザインとして必要ならば、縫製を工夫してけろぉぉぉ頼むからぁぁぁぁお願いしますぅぅぅ(ノД`)・゜・。

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