地の目(布目)について

地直しと地の目

さて。。。ここを読む方がどれだけいるのか。。。今回は地の目(布目)についてのお話です。

先にお断りしておきます。この話は長くてくどくて面白くないです。たぶん途中で飽きてしまうと思うので、初心者の方は「たて地」「横地」「バイアス地」だけ覚えたら読み飛ばしましょう!ある程度上達して、???という疑問符がわいたときにまた読み返していただければ幸いです。

地の目(布目)ってなんなの?

大まかに図解すると、左の図の赤い3本の矢印が地の目の方向です。A:たて地の目、B:横地の目、C:バイアス地の目。

洋裁用語でよく「たて地で~」「横地で~」「バイアスで~」と言ったりしますがそれと同じです。

布帛生地というのはたて糸と横糸を交互に織って作られています。機織りを想像するとわかりやすいですね。このたて糸と横糸の交差パターンはいろいろあって、平織りとか綾織とか呼ばれたりします。ですが布帛生地であればどの生地もたて糸と横糸で構成されているので、たて糸の通っている方向(耳と並行)がたて地、横糸が通る方向(耳に対して直角)が横地です。

バイアス地は、たて地と横地の交点(直角90度)に対して45度の傾きをつけた地の目の事で、この正確に45度傾いたバイアス地の事を正バイアスと呼んだりします(単にバイアス地ということもあります)。

20度や30度の傾きを正バイアスとは呼びません。なぜかというと布帛の場合は生地を引っ張ってみると、たて地はほとんど伸びません。横地はちょっぴり伸びます。バイアス地はすんごく伸びます。そしてこの伸びは45度の角度が一番よく伸びます。それ以外の角度だと目に見えて伸び率が変わってしまうのです。

たとえばバイアス裁ちのふわりとしたフレアスカートなども、地の目が正確に45度で裁断されるともっともその効果を発揮出来るのですが、前身頃と後身頃で違う角度で裁断されると見た目にもわかるほど仕上がりの感じが変わってしまうのです。

そして何よりも、伸び率の違う物同士を縫い合わせるわけですから、当然縫いにくくなり綺麗に仕上がりません。このような都合から角度をつけた地の目の中でも特に45度を指定してバイアス地(正バイアス地)としている訳です。(←市販のバイアステープなどもこれ。)

これとは別にわざと20度~30度くらいの傾きにするものがあります。これはハーフバイアスと呼ばれて身頃の襟ぐりや裾などの伸び止めテープで良く使用されています。全く伸びなくても困るけど、伸びすぎても困る、という箇所に使用されます。また、前端など出来るだけ伸びてほしくないところにはたて地で裁断されたストレートテープなどを使用する場合が多いです。

編地(ニット生地)の場合の地の目

さて、編地の場合はどうでしょうか?編地(ニット生地)はループ状の編み目で構成されているのでたて糸や横糸はありませんが、地の目の考え方は布帛と一緒です。そしてニットは横によく伸びる性質があり、その特性を生かすためにたて地をメインに使用されることが多いです。また、ニット生地はバイアスをほとんど使用しません。なぜならば横方向によく伸びるので、バイアステープと同じような使い方が出来るからです。

今回も長々とおつきあいくださりありがとうございました。次回からは数回に渡って地直しについて書こうと思っています。

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