今回は市販されているテープメーカーを使用したバイアステープの折り方をご紹介します。
ここではテープメーカーを使用したアイロンのかけ方だけを解説しますので、テープの裁断方法や縫い合わせ方等は「バイアステープの作り方」をご参照ください。
テープメーカーは様々なメーカーから発売されていますが、今回は手芸店でも手に入りやすいクロバー社の「テープメーカー」使用しています。
1.バイアステープとテープメーカーを用意する
接ぎ合わせ済みのバイアステープとテープメーカーを用意します。今回は仕上がりが25㎜幅になるテープメーカーを使用するので、48㎜幅のバイアステープを使用します。(裏地のような薄地の場合は生地が伸びやすいので4~5㎜程太いテープを用意します)
その他のテープの裁断幅に関しては、テープメーカーに付属している一覧表をご参照ください。
テープメーカーで言うところの仕上がり幅=両折タイプのバイアステープ幅です。両折タイプを更に二つに折ったものが縁取りタイプ(又は四つ折タイプ)になりますので、25㎜幅のテープメーカーを使用して四つ折タイプのバイアステープを作成すると仕上がり幅は12.5㎜となります。(下図参照)
※ただし、生地の厚みや伸び具合によっては仕上がり幅に多少バラツキが出ます。
2.テープメーカーにバイアステープを通す
テープメーカーは溝のある方を上向きにし、バイアステープは裏面が上になるように据えます。テープメーカーの広い方の口からテープを差し込んだら目打ちを使ってテープを潜らせます。
3.バイアステープにアイロンをかける
テープメーカの細い方の口から、畳まれた状態でテープが出てきます。一定の幅を崩さないように気を付けながらアイロンをかけて癖をつけておきます。この時、テープの裁ち端はテープ中央付近に折り込まれておりますが、裁ち端どうしが重ならないように注意しながら作業をしてください。生地の厚み分を考えると、1㎜程度の隙間があると良いでしょう。
バイアステープで玉縁始末をする方法は幾通りかありますが、縫い方によってはアイロンの折り目をガイドにして縫い合わせるので、テープ作成の際には折り幅を一定に揃えることも大切なポイントになります。
上の図のように、四つ折のテープを一旦開いた状態で中縫いをしてから玉縁を形成する場合は、すでにかかっているアイロンの折り目をガイドにしながら縫って行くので、この折り幅=玉縁幅となります。
薄手の生地の場合はそれほど意識せずとも大丈夫ですが、中肉以上の厚みのある生地もしくは生地が複数枚重なっている箇所の場合は厚み分を考慮してテープを気持ち広めに作っておくと良いでしょう。
これで両折タイプの完成です。四つ折タイプを作成する場合はこのまま次の工程へ移ります。
4.四つ折タイプのテープを作成する場合
両折タイプのバイアステープを更に二つに折り、アイロンをかけます。この時、テープの折山と反対側を少しだけずらしながら作業をしましょう。下側にくるテープが少しだけ見えていれば大丈夫です。
この場合も、縫い合わせる生地がどれくらいの厚みなのかを考えながらテープをずらす分量を考えましょう。
四つ折タイプのテープは下図のような仕上がりイメージです。青い矢印部分の厚みに引っ張られてテープ幅自体が不足したり裏側が不足しやすくなりますので、厚手生地の場合や何枚も生地が重なっている場合などは気持ち太めに作成しておくという事です。
さいごに
単純にバイアステープを作成するという事においては、おそらく難しい事はありません。だけれどもいざ身頃と縫い合わせるとなると途端に上手に出来ない、とお嘆きではありませんか?
バイアステープは生き物のようなものです。例えるならば酵母や乳酸菌のような物でしょうか。同じ条件下でも気温や湿度が変われば上手に醗酵しないパン酵母のように、バイアステープの素材や縫い合わせる身頃の厚み、カーブの有無等によって仕上がりが大きく変わってきます。だから”加減”が必要なのです。
これは厚手だから何ミリ追加という類のものではありませんし、実際に測ってみたところで目に見えて数値が変わるようなものではなく、いわゆるさじ加減と呼ばれるものです。「この後、どのような始末をするのか?生地の厚みは?テープの厚みは?玉縁幅は?直線なのかカーブなのか?」などという事を意識しながら微調整してみてください。
そして何よりも大切なことは、「均等な幅に仕上げる」という事です。裁断も均等に。すべてのアイロン工程も均等に。一定の幅で仕上げましょう。ここを意識するだけで、縫い合わせ時のトラブルは激減します。全てはそこからです。
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