結城紬のトレンチコート

オーダーのお仕事

更新をサボっていた頃に作成したものを少しずつUPしていきます。

 

冬に作成した男物結城紬を使用したレディースのトレンチコート。

もうね、カッコいいの。

自分で作っといて言うのもどうかとは思うけど。

 

仕方ない。カッコいいんだもん。

アンサンブル用の未使用品の反物だったので、それほど制約は多くなく仕立てられました。

 

 

レディースなので左身頃にストームフラップがついてます。

 

ストームフラップはガンフラップとも呼ばれていて、元々はライフル銃を射撃する際の衝撃を吸収する用途がありました。

 

 

台衿はホック止め。

衿と台衿はやや硬めの芯を入れてハードな仕上がりに。

女性用だからチンフラップまでは付けなかったのだけれども、出来上がってみると、あっても良かったかなぁ。。。
チンフラップは台衿とか衿の裏に付いているベルトのことで、厳しい風雨を防ぐために付けられたものです。

 

うまく写っていないけれど、エポーレットも付いています。

エポーレットも目的があって付けられているもの。元々は階級章を付けたり肩から下げるストラップ類がずり落ちるのを防ぐ為に付けられていたものです。

 

 

背中にはケープバック付き。

ケープバックは雨避けとしての機能を持っています。が、今回は保温性を高める目的で背中全体をを覆う面積で付けてみました。

 

ポケットは箱ポケットにしました。

トレンチコートに付くポケットはフラップ付きが本式だけど、現在ではデザイン重視で。

 

ウェストと袖口のベルトはいずれも革バックル付きです。

ウェストと袖口のベルトも、隙間なく絞る事で風の侵入を防いで保温性を高めるのが本来の目的。

 

 

ウェストベルトのDカンも付ければよかったなぁ。

Dカンは手榴弾とかを固定する為のものなので、現在では全く必要の無いパーツです。

 

 

 

今回一番大変だった第1ボタンのボタンホール。

ボタンホールは手かがりで仕上げてあります。

 

ボタンホールのお話は次回に回しますね。

 

 

後ろ見頃のスリット部分はインバーテッドプリーツにして、ウエスト位置まで全てボタン開きにしてあります。

 

これはお客様からのデザインリクエストでこの仕様にしました。

 

この画像はまだ未完成の時のものなのでまだボタンが付いていませんね。

インバーテッドプリーツの仕様は、馬に乗る際に邪魔にならないように深く開きが設けられていたそう。

 

 

 

これらの仕様は全て戦場でのリアルな戦闘時に使いやすいように考えられたデザインです。

 

そもそも、トレンチコートのトレンチ=塹壕という意味で、第1時世界大戦時にイギリス軍の軍用コートとして採用されたもので、そもそもの生い立ちがミリタリーウエアだった訳ですね。

 

 

その後、とある会社が自社開発の防水効果がある綿ギャバジンをより防水性の高い生地へと改良し、軍で使用する為のレインコートとして誕生したのが、あのバーバリーコートなんです。

 

 

シャネルがそれまで下着専用素材だったジャージーニットをドレスの素材として採用したやむにやまれぬ事情というのも、戦争が深く関係しています。

 

皮肉にも、そのお陰でアパレル界はその歴史を変えて大きく発展することになるわけなのだけど。

生地やアパレルの進化にも戦争というものが深く影響しているという所が大変興味深いですね。

 

そして、トレンチコートはそれほど大きな変遷もなく現在まで愛されつづけるデザインなのですが、それは無駄をそぎ落として極限の状態での機能性を追求したデザインであったというのが大きな理由なのだろうと思います。これはミリタリーウエア全般に言えることですが。

 

現在では機能面でのデザインは全く必要のないものですが、あえて本来の仕様を忠実に再現したものはやっぱり存在感が違う。と、私は思う。

 

 

今回は、ご依頼主の雰囲気に合わせてほんの少し女性らしいテイストが入るようにしてみました。

後ろ見頃がソフトプリーツになっているのもそのためです。

 

 

そして着物地らしいテイストもほんの少し。裏布にも着物の雨コート用の反物を使用しています。

 

羽織のように、表地が地味だったら裏地を派手目に。ここだけが今回の派手ポイント。

 

着物リメイクは大好きだけど、いかにも着物を引きずったデザインを好まないお客様の好みに沿った仕上がりになったかな!

 

 

 

 

 

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