漆染めの羽織からワンピースに

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いつもの事ですがまたちょっとばかり地下に潜っておりました。
表に出せないお仕事の時はSNS類を全く更新しなくなってしまうのだけど、そういう時用にネタを保有しておくっていうのもなんだかなぁと思うの。
なんて、ただのサボりの言い訳です。ハイ。

先日、岩手県の遠野市に新しく開かれたお寺と曲がり家の開山祭礼にお邪魔してきたのですが、ちょっと時期をはずしてしまったので来年の一般公開に合わせてまたご紹介します。
真新しい仏様、広大な庭園、御殿のような曲がり家と、素晴らしい所でしたよ。

 

 

さて、まだ納品前でアイロンもかかっていませんがまたしても羽織からのリメイクワンピースです。
お客様お気に入りのデザインで、定番として何着か制作していますが、更にまた何着分か待機している状態。
いつもの事ですが、洋服のサイズとボディサイズが合っていないので崩れてますけどそこはスルーしてね^^;

 

もともとノースリーブのワンピースだったパターンを袖付きに変更しました。
ノースリーブのワンピースって、デザインにもよるんだけど大抵は肩幅が少し狭い。つまり袖ぐりが自分の肩先(ショルダーポイント)位置よりも内側に繰ってある事が多いかな?
どうだろう?私はたいてい5mm~7mmくらい削るイメージでライン取りします。でもまだまだビッグシルエットが主流だから、肩まわりはドロップショルダーのデザインのほうが良く見かけるかな。
それに加えて、袖底は上げ気味に設定します。腕をあげた時に脇がガバっと見えてしまわないようにね。でもこれもデザイン次第だから必ずという事でもないのだけれど。

で、これにそのまま袖をくっつけちゃうとあまりよろしくない。勘の良い方ならお分かりだと思うけど、袖ぐりが小さいの。なので動きやすさを確保するために、身頃の袖ぐり付近を修正してます。
袖底は原型よりも小さくならない程度を目安に、肩先は今回のようなギャザー袖だったら削りっぱなしもしくは更に削って肩をギャザーで包み込むようなデザインにしても良し、原型の肩先までパターンを出してノーマルショルダーにしても良し。
肩先削るという事は肩幅が短くなるという事。そこに袖が乗っかるので、袖丈はその分長くなる。よね。で、袖丈のうちどこが長くなるかというと袖山が高くなります。
図解した方が良いのだろうけどそこまで時間ないの。。。ごめんなさい(+_+)

 

 

今回付けた袖は10匁(もんめ)のシルクシフォンジョーゼットを使って、袖山はほどほどのギャザーに、袖口はふんわりとしたタックをランダムな方向に配置してパイピング始末。
パイピングが見えるとちょっと幼い感じになるので内側に隠し留めてあります。
シルクシフォンは良いね~♪肌触りといい、落ち感といい、柔和です。やさしい。そのかわり、お洗濯は完全NGですけどね^^;

 

 

さて。ちょっと話題を変えて。
今回驚いたのが羽織の柄。これは漆染めなんですって。
漆染めなんていう技法も知らなかったので、良いものを見せてもらえました(*^^)

調べてみたら、漆材の織布への染色特性という研究の中に、岩手県二戸市浄法寺町で行われているという記述を見つけました。
これ、織布への染色実験なんだけど、木材学会誌vol.60とあるので着物地としての漆染めかどうかは不明。後は漆の縫い取りというのが昭和30年代に流行したという記事を見かけたのですがそれ以上の事は良くわかりませんでした。

 

この羽織の場合はブルーの模様のところだけが表側に織り出してある感じ。なので裏面は柄部分以外綺麗なブルーです。
そしてざらりとした独特の手触り。なんとも不思議な着物地です。
着物というのは、柄ゆきの意味合いも面白いけど技法を見る楽しさもありますね。染めだったり刺繍だったり織りだったり。本当に飽きません。

 

 

 

 

さて。。。このワンピースを袖なしバージョンに戻してもう一着↑。で、悩んでいます。
この柄、どうしよう。裾に三角マチを入れたら柄がうまくつながらないなぁ。ワンピース+ボレロで生地もギリギリっぽい。入るかなぁ。。。
ん~。もうちょっと悩んでみましょう。

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