手縫いボタンホール

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難しい

 

面倒くさい

 

何度やっても失敗する

 

出来れば回避したい

 

 

最後の最後で全ての努力を無にするボタンホール orz

 

 

あいつ、何なの?

なんだってあんなに難しいの!?

 

やりたくないんですけどー!!!!٩(๑`н´๑)۶

 

 

あ、、、心の声が、、、

 

 

 

しかしまぁなんだってこんなに難しいかね。ほんとに。

 

ホームソーイングの場合は軽衣料だったらミシンに付属のボタンホール機能で十分役目を果たします。最近のは性能良いからね。

 

でもやっぱりジャケット以上の重衣料になると、ちょっと心許ないよね。

 

 

オーダーの場合、ブラウスやワンピース類からジャケット・コートに至るまで、私は殆どホールは外注に出してます。

 

だけどねぇ、外注って時間がかかる。平気で1週間とか10日くらい待たされます。

時間的に余裕があるときは良いのだけど、納品まであと3日!ということの方が多い訳で。。。

 

待たされるだけならまだ良いのだけど、思った程の仕上がりになっていない事もままあります。

もうね、工場さんに文句言っても始まらないのでそこはもう使わない事にしたけど。

 

 

そうなると、手でかがるという暴挙に出るより他に道がないのです(^-^;

 

一度でも手かがりのボタンホールを作ったことのある方だったら、それがどれほど無謀かはお分かりでしょう?

 

 

スーツの本場イタリアでは、オーダーメイドの場合はボタンホール専門の職人さんがいて、手縫いのホールを1個あたり数分でチャチャーーーッと仕上げてくれるそうなのだけど、もちろん私にそんな腕は無い( ̄^ ̄)

 

重衣料のボタンホールを全て手縫いで納得のいく仕上がりにする為にはどうしてもどうしても時間がかかっちゃう。

そんなことしてたらお仕事としては成立しないのです。

 

 

で、無い知恵を搾り出した結果がこちら↓

 

 

先日UPしたトレンチコートのボタンホールです。

どのようにホールを作ったのかは後述しますが、まずは出来上がり画像をば。

 

 

画像左が出来上がったボタンホールの表

画像右上が裏面

画像右下がミシンで縫っただけの状態

 

このトレンチは訳あってかがりにあまり太い糸を使っていないので画像ではミシンのホールとの違いがよくわかりませんが、手でかがった方は切り口にボタンホールステッチの結び玉が綺麗に出ています。

 

昨日の記事でトレンチコートの第1ボタンホールについて軽く触れた程度だったのですが、トレンチコートというのは着用時に第1ボタンを閉める場合と開ける場合があり、それによってボタンホールの表が見えたり裏が見えたりと変化します。

 

つまり、最低でも第1ボタンは表も裏も同じように仕上がっていないと美しくないわけ。

 

これまたやったことがある方だったらお分かりだと思うのだけれども、裏側がめちゃくちゃ難しいorz

 

 

個人的な感想では、表側はごまかしがききます。ピッチが揃っていて結び玉が綺麗に揃っていればなんとか見られる形になります。

 

けれども裏側は一分の隙もなくピッチを揃えて尚且つ切り口に対して垂直方向に糸が渡っていないと美しいホールにならない。

 

これが難しい。

針目に精神面が如実に現れるという事実がこれまた怖い。

 

だからトレンチコートのような両面を見られるデザインの場合は本当に緊張します。

 

こうなってくるともう技術論云々ではなくなって来ます。

 

「私の腕を信じて任せてくださったお客様に恥はかかせられない」という、この1点のみ。

もはやただの意地です(笑)

 

このトレンチも、意地だけで20個近く必死でかがりましたとさ(^^;

 

 

 

実際のかがり方はこちら↓

 

これはトレンチとはまた別の作品。

こちらも着物リメイク作品で、男性用のやや本格的なベストです。

 

作品の全体像はまた別記事に回して今日はボタンホールのみ。

 

 

 

 

 

やってみればどうってことなかった(笑)

 

この仕上がりなら、下手な工場でかがるミシンでのホールよりも遥かに綺麗。しかもちょっと心得のある人なら以外と簡単に出来るうえに早い。

仕立て屋としてのプライドを脇に置いとけばね(笑)

 

 

 

 

手縫いでのボタンホールに挑戦したことがある方だったら、これを見れば一目瞭然ですよね。

何も説明いらないほどあっけない。

ミシンで縫ったボタンホールの上から改めて手かがりで縫っただけ。

 

 

本来、手縫いでボタンホールを作る時にはまずミシンの直線縫いでホールの周囲をぐるりと縫ってから、更にかがり用の糸を何本か渡しておいてそれを芯糸としてかがって行くのですが、それらの工程を一切省いてダイレクトにミシンでまずはホールを開けてしまう。

 

そしてミシンでかがったホールを芯糸に見立ててその上からボタンホールステッチでかがっていくだけです。

 

 

手縫いボタンホールの何が難しいかって、ホールのかがり幅と一針一針のピッチを同時に揃えるのがまず至難の業なんです。

一定幅で一定のピッチを保つ。こればかりは経験を積まないと出来ません。経験を積んでも出来ない人の方が多いかもしれない。

 

 

一方、ミシンでかがるボタンホールは幅もピッチもきっちり揃った仕上がりになります。でも手縫いでの一目一目に結び玉が作られたあの美しいボタンホールステッチを再現することは不可能なのです。(それに近いホールを作れる工業用ミシンはあります)

 

 

だったら、双方のいいとこだけもらっちゃえばいいじゃん(。-∀-) ニヒ♪

この方法でボタンホールを作る時は、まずミシンでベースとなるホールを縫います。この時の糸は地縫いと同じ太さが良いでしょう。

普通は50番か60番ね。30番だと太いので、ホールの出来上がりが固くなるかも。
でもこれも、デザインにもよるので縫ってみないと何とも言えない部分かなー。

かがり糸は通常の手縫いボタンホールと同じで、出来れば絹穴糸を、もしくはボタン付け糸を使用します。

 

 

本来なら穴糸一択なのだけど、そこまでシビアにならんでも良いと思うよ。
絹穴糸の方が艶があって仕上がりが美しいです。

 

いずれの場合も、縫っている間に摩擦で艶が落ちたり撚りが戻って来たりするので、縫い糸には蝋びきを忘れずに。

 

蝋びきと実際のボタンホールの作り方については動画の方がわかりやすいと思うので、また別の機会にUPします。

 

 

 

この方法はミシンでボタンホールを作ってリッパーで切る時に誤って糸まで切ってしまった時にやったことがあるという方もいる事と思います。

 

なので別に目新しい方法でも何でもない。

 

なんだけど、ハナからミシンのホールを芯糸にしてしまうという発想はこれまで思い付かなかったので、軽くカルチャーショックでしたわよ、はい。

 

 

そんなもん仕立て屋の仕事じゃねぇよ!と言われてしまえばそれまで。その通りです。

 

ですが仕立て屋は技術だけを売っているのではありません。

納期・デザイン・仕上がり・着用時の機能性・コスト、それら全てのバランスを鑑みてその時その時でベストな選択をするのも大切な仕事で、自分の技量を作品に投影するのが仕事ではないというのが私のスタンスです。

 

仕立て屋さんと一口に言っても、スタイルもスタンスもマチマチ技量もマチマチ。

考え方も人それぞれ全く違うので、あくまでも個人的な意見ですよ。

 

 

そもそも論なのだけど、私は自分が仕立て屋だという自覚は無いのです。

だって洋裁隙間産業ですから(^m^)

 

 

でもね、手は抜きません。

だって洋裁バカですから(笑)

 

 

あ、、、話がだいぶそれちゃった。

 

今日ご紹介したボタンホールはかなり簡略した方法ではあるのですが、結局は手でかがるという行程がある以上、決して誰でも簡単に作れるというものでも無いのです。

 

ビギナーの方だったら、重衣料を作成した時には町のお直し屋さんとかにボタンホールだけ依頼するのが一番綺麗だと思います。ちょっとコストがかかるけどね。

 

既に自分で手縫いボタンホールに何度か挑戦しているけれど、なかなか上手く出来ないと悩んでいる方にはぴったりな方法じゃないかなーと思いますよ♪

 

完全な手縫いのホールに比べたら、かなりハードル下がります。

 

ボタンホールを手縫いでやろうなんて酔狂なことを考えるのは、大抵が洋裁バカ道まっしぐらな人ばかりでしょう(笑)

 

少しでも、そんな方たちのお役にたてたらこれ以上の幸せはありません(^_-)☆

 

 

こんな文章ばかりの長い記事を最後まで読んだそこのあなた。

あなたも立派な洋裁バカですよ(= ̄∇ ̄=) ニィ

 

 

 

 

こうして、洋裁バカ増殖計画は静かに進行していくのであった。

 

 

つづく。

 

 

 

 

自覚症状のある方もない方も。

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